鳥屋ブログ

ダイナミック! 製鉄所見学(高炉)

3月某日

神奈川県川崎市へ 製鉄所(高炉)の見学に行ってきました。
実は5年ほど前に千葉県にある高炉を見学したことのある私は、
その時の記憶がよみがえり、 朝から興奮気味でした。 

製鉄所は面白いんです!

正門を入ると、すぐにトンネルに入りました。 海底トンネルです!
会社の敷地内に海底トンネルがあるんです。 すごいですねえ。

「扇島」という人工島すべてが会社の敷地なのです。

 (東京ドーム 117個分が、14万本の杭の上に乗っかってます)
3kmほども走り、ようやく事務所に到着。 そこで上着を着て、ヘルメットをかぶり出発です。

ここでお断りがあります。

敷地内は一切写真撮影禁止とのことで、残念ながら写真は一枚もありません。

写真が無いのもわかりづらいので、カタログから転載したいと思います。
敷地案内.pdf

※ 鉄は 【鉄鉱石】 【石炭】 【石灰石】 この3つからできてます。 これを踏まえて・・・
(鉄鉱石・石炭は100%輸入、 石灰石は、ほぼ国産で高品質なものが大量に取れるそうです。)

まずは出荷までの流れです。

製造過程.pdf

1. 鉄鉱石など満載した大きい船が、イラスト左側の 「原料岸壁」 に着きます。

   (見学時は、ブラジルからの船が荷卸してました)

2. 船から直接 「原料ヤード」 に荷卸します。 (下ろしきるのに、3~4日掛かるそうです)

3. 【石炭】 を 「コークス炉」で蒸し焼きにして、  『コークス』 にします。

4. 【鉄鉱石】 【石灰石】 『コークス』 を混ぜて、焼き固めて 《焼結鉱》にします。 

   (石灰石は不純物を吸着させる為のものです)

5. 《焼結鉱》を 高炉の上から入れ、下から 1200℃の熱風と酸素を吹き込み溶かしていきます。
   (第1高炉・第2高炉とありますが、 稼動しているのは第2のみです。 高炉は一回火を入れると、
    20年くらい止められないんだそうです。再稼動するには、莫大な経費が掛かるとのことです。)

6. そうすると、 上に不純物(スラグと言う)、下に鉄分{銑鉄(せんてつ)}が溜まるので、この{銑鉄}を取り出します。

7. 製鋼します。{銑鉄}をさらに精製するために、転炉(転換炉)に入れます。(横5m、縦8mの楕円形)
   {銑鉄}は硬いだけで、もろい(衝撃で割れてしまう)ので、とても加工できません。 

   これを加工できるようにするには・・・
   この{銑鉄}の中には4%の炭素が含まれていて、これを取り除くために酸素を吹き付けると、炭素が燃え尽きます。
   そうすると、粘りのある ≪鋼(はがね)≫ ができます。 

   この≪鋼≫になって、はじめて加工できるようになるのです。

この転炉での作業が見学の見所でもあるのですが、目の前で、ロケットの発射を見ているようです。
そして、転炉だけに、回転します。回転させて中身を取り出します。

ガラスで仕切られ、安全な距離をとっているのでしょうが、回転したときにかなりの熱気が叩きつけられます。 

 「大丈夫なの?」 と思うほどです。

8. 加工できるようになった≪鋼≫を別の桶に入れ、 桶の下から≪鋼≫を引き出すように取り出します。
   取り出した≪鋼≫を ローラーの間を通して所定の形 (半製品)にします。 これをスラブ、ビレットなどと呼びます。

   (この製鉄所のスラブは厚さ250mmだそうです。) 

9. このスラブを、暖めなおして、厚板 ・ コイル ・ 鋼管 などに加工していきます。

   加工するために、 何百本ものローラーの間を通すのですが、 これを 「圧延」 と言います。
   このときに、 最大幅 5300mmの鋼板ができるのですが、 これは国内最大のものです。

「圧延」 するときに、何百メートルもあるローラーの間を熱々の大きな鉄の延べ棒が流れていくのですが、

これが速いんです! 最大秒速 45m! 冷えないうちに薄く延ばすには、このくらい必要ということでしょうか。
これも見所の一つです。 
まるで見てきたように書きましたが、 今回 「圧延」はタイミング悪く、見れませんでした。前回の記憶です。
代わりにというわけではないのですが、 ローラーの交換作業が見れました。

この方がレアです。めったに見れないそうです。
が、地味です。 「大きな長いローラーを引き抜いて、新しいのを入れる」 これだけです。 地味です・・・

10. ここまでくると、 「製品岸壁」 まで来ているので、 出荷です。  

以上が、原料搬入~出荷までの流れです。

さらに、こちらでは様々な研究開発も行われていて、研究棟の中には、
 「薄く・軽く・強い」新素材の鋼管や、「開先が要らない溶接方法」(溶接棒が特殊で高価)、
「ゴキブリが近寄らない鋼板」なんてのもありました。

午後からの見学会でしたが、休む間もなくほぼ歩き通しの見学会で、すっかり疲れてしまいましたが、
まだ高炉を見たことがない方は、是非見ていただきたいです。

機会があれば、積極的に参加していただきたいと思います。


「鉄は国家なり」 という言葉もありますが、本当にそう思えるものが、感じられるはずです。

                                                       (鋼材部N.U)